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ホーム > プロジェクト紹介 > 2016-2020 科学研究費補助金・基盤研究(S)

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科学研究費補助金基盤研究(S)

「第二世代」粒界工学へのブレークスルーのための学術基盤の強化

研究代表者 連川 貞弘 (熊本大学大学院先端科学研究部・教授)
研究分担者 大村 孝仁(国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究拠点・副拠点長)
小林 重昭(足利工業大学工学部・准教授)
井 誠一郎(国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究拠点・主幹研究員)
連携研究者 森園 靖浩(熊本大学大学院先端科学研究部・准教授)
研究協力者 山室 賢輝(熊本大学工学部技術部・技術専門職員)
Pavel Lejček(チェコ科学アカデミー物理研究所・教授)
Dmitri A. Molodov(アーヘン工科大学・教授)
研究期間 平成28年度~32年度

研究の背景・目的

図1 オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の
粒界腐食におよぼす粒界制御の効果:(a)粒界
非制御材,(b)粒界制御材 (S.Tsurekawa et al.,
Acta Mater., 54,3617, (2006).)

 多結晶材料の力学特性および機能特性は,結晶粒界の存在に著しく影響される。粒界構造と粒界物性に関する基礎的研究の成果を基に,1980年代初頭に東北大学・渡邊忠雄教授が世界に先駆けて提案した『粒界設計・制御に基づく高性能多結晶材料の開発』という概念は,現在では『粒界工学』として世界に広く受け入れられている。1990年代半ばには,積層欠陥エネルギーの低いNi基合金やオーステナイト系材料に対して,焼鈍双晶(双晶境界はΣ3対応粒界)の形成を利用して対応粒界頻度を80%程度まで高める材料プロセスが開発され,対応粒界頻度を高めることにより耐クリープ性や耐腐食性が著しく向上することが実証されてきた(図1)。このように,「第一世代」の粒界工学は一定の成功を納めている。しかしながら,現状では,粒界制御が可能な材料が積層欠陥エネルギーの低い材料に限られていることや,粒界設計の精密化のためには,粒界現象の理解の深化が必要となっているなど,解決すべきいくつかの問題や課題がある。
 本研究では, 「第二世代」粒界工学へのブレークスルーを図るための学術基盤の強化を目的として,研究期間内において次の課題に取組む予定である。
(1) 粒界現象理解の深化による粒界工学の学術基盤の強化
  ・粒界近傍における局所力学特性 - 粒界-転位相互作用に基づくHall-Petch則の理解
  ・強加工により導入される非平衡粒界の構造と力学物性
(2) 粒界制御プロセスの新指導原理の確立
  ・積層欠陥エネルギーの高い材料に対する粒界制御法の指導原理の確立
  ・多結晶材料における粒界微細組織の統計的評価方法の精密化

研究の方法

 課題(1)では,粒界の幾何学関係を系統的に変えた双結晶試料を用いて,① ナノインデンテーション法による粒界近傍における局所力学特性を評価するとともに,TEM内その場変形測定法による転位挙動と力学応答との関係を明らかにする。② 非平衡粒界の構造と力学特性の特徴を明らかにする。
 課題(2)では,①積層欠陥エネルギーの高い材料に対する新しい粒界制御方法の指導原理を確立する。②パーコレーション理論やフラクタル理論を取り入れた粒界微細組織の定量評価の精密化を行う。

期待される成果と意義

 本研究の目的が達成されれば,広範な材料に対して粒界工学の応用の道が開かれ,新しい材料設計・開発手法としてイノベーションの創成につながると期待される。さらに,「粒界工学」は,従来組成の材料であっても粒界微細組織を設計・制御することにより,さらに優れた特性を発現させることができることから,資源の乏しい我が国において,合金元素添加に頼らない材料開発手法として,元素戦略上も非常に重要な技術となる。

当該研究課題と関連の深い論文・著書

  • T. Watanabe, S. Tsurekawa, The Control of Brittleness and Development of Desirable Mechanical Properties in Polycrystalline Systems by Grain Boundary Engineering, Acta Mater., 47, 4171-4185, 1999.
  • S. Tsurekawa, Y. Chihara, K. Tashima, P. Lejček, Local plastic deformation in the vicinity of grain boundaries in Fe-3 mass% Si alloy bicrystals and tricrystal, J. Mater. Sci., 49, 4698 - 4704, 2014.