HONDA BIALS TL50


 ホンダバイアルスTL50です.もちろんこれは参考写真です.こんなきれいな状態ではありません.
 1976年に発売されていますので,約30才ということになります.私のものは15年ほど前に譲り受けたものです.エンジンはとりあえず動きましたが,外装がぼろぼろでした.解体屋でエンジンは固着していますが,外装の程度がよいものがありましたので,タンク,シート,フェンダー等を交換しました.

 最近,乗りたくなりましたので,久しぶりに(10年ぶりぐらい)引きずり出してきました.ガソリンを入れただけであっさり始動できました.走り出しはスムーズですが,最高速は50kmぐらいで頭打ちです.もちろん,70年代の車両ですのでリミッターがついているわけではありません.スピードメーターには5速レンジが75kmまでになっていますので,どこかおかしいようです.(当時のホンダ車には,スピードメーターに各ギヤの使用速度範囲が入っているものが割とありました) しばらく使っていましたが,回転を上げるとちょっと異音がしますので,思い切ってエンジンを開けることにしました.

 カムシャフトを取り出してみますと左側の軸受けの部分にひどい溝がはいっています(右上).カム山もロッカーアームが片当たりしているようです.カムホルダー側同じです.カムホルダーとシリンダヘッドは一体ですし,ベアリングやメタルが入っているわけではありませんので,こうなるとシリンダヘッドごと交換するしかないようです.
 ピストンが固着したエンジンから,シリンダヘッド周りを移植することにしました.ちなみにドナーエンジンのカムシャフトはきれいなものです(右下).

 原因を考えてみますと,このエンジンは,シリンダヘッドとシリンダーの間から,特に左側からオイル漏れを起こしています.このCB系の縦型エンジンは,カムホルダーとシリンダヘッド,シリンダーはスタッドボルト一本で取り付けられていますので,何らかの原因(あるいは以前の持ち主が多少いじったか)で左側のスタッドボルトが緩んでいたのかもしれません.それでカムシャフトもカムホルダー内で暴れてしまい,傷がはいったのではないかと考えました.
 常識ですが,エンジンのシリンダー,シリンダーヘッドのスタッドボルトのトルク管理は重要ということでしょうか.

つづく...

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