材料物性学研究室
    研究内容 / Research
「六方晶金属の塑性変形機構の解明」
「Study on Mechanism of Plastic Deformation in HCP Metals」
マグネシウムの変形 すべり運動
 変形させたマグネシウム単結晶の表面を顕微鏡で観察するとすべり線という筋が見えます.これは結晶中の原子がすべり運動したことを表しています.
 結晶の中を電子顕微鏡で観察すると転位という線状の欠陥が見えます.この転位が運動することによりすべり変形が生じます.

「コンピュータシミュレーションによる原子構造解析」
「Study on Computor Simulation Analysis of Atomic Structure in HCP Metals」
Molecular Dynamics
 材料中に起こる現象は,すべて原子の運動により生じます.この運動過程を正確に捉えることができれば,材料の性質をすべて解明することができます.しかし,原子の運動を直接観察することはあまり簡単なことではありません.そこでコンピュータによる分子動力学シミュレーションにより結晶内の原子構造を解析し,変形や破壊の機構を解明することを行っています.

←こちらの図は,き裂先端の破壊過程のシミュレーションの様子です.き裂先端で原子が複雑な運動しながら,き裂が成長していくのがわかります.

「六方晶金属の疲労破壊機構」
「Study on Fatigue Properties in HCP Metals」
 低い応力でも繰り返し作用させると,き裂が発生しやがて破壊します.これが金属疲労というものです.金属材料を安全に使用するためには,疲労破壊に強い材料を開発し,またどれくらいの破壊寿命があるかを正確に予測する技術が必要です.そこで,現在注目されているマグネシウムチタンについて,疲労破壊機構の調査を行っています.
Crack propagation in Mg
←こちらの図はマグネシウム結晶に生じた疲労き裂です.マグネシウムではき裂が進む方向により,その挙動が様々に変化します.

「超微細粒材料の疲労破壊機構」
「Study on Fatigue Properties of Ultrafine Grained Materials」
Ultrafine grained Ti
 近年, 金属材料の更なる高強度化を目指して, 1μm以下の結晶粒を有する超微細粒材料の研究が, 非常に盛んに行われています.実用化にあたり, 材料の疲労特性を知る事は重要です. そのため, 超微細粒材料の疲労挙動の調査を行っています.(1μm = 1/1000mm)

←こちらの図は, 巨大ひずみ加工の一種である繰り返し重ね接合圧延(ARB)により作製した超微細粒純Tiの透過型電子顕微鏡(TEM)像です. (100nm = 0.1μm)
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