全電子FLAPW法とは

第一原理計算グループでは、FLAPW(Full-potential Linearized Augmented Plane Wave)法に基づく第一原理電子状態計算を行っており、HiLAPW コードおよび QMD-FLAPW コードを用いて、物質・材料の電子構造や物性解析を進めています。

FLAPW法は、1981年に米国ノースウェスタン大学において A. J. Freeman の研究グループによって初めて開発された全電子第一原理計算法です。この手法の起源は、1937年に J. C. Slater によって提案された APW(Augmented Plane Wave)法にさかのぼります。その後、1975年に O. K. Andersen により基底関数の線形化手法(LAPW法)が提案され、さらに D. D. Koelling らによって APW 法へ適用されました。最終的に、M. Weinert らによる Full-potential 化によって、現在広く用いられている FLAPW 法が確立されました。

FLAPW法は、内殻電子を含む全電子を対象とし、ポテンシャル形状に対する近似を用いない点に特徴があり、電子状態や物性の高精度な定量評価が可能です。本研究室では、この特長を活かし、実験結果との比較や原子レベルでの物性発現機構の解明を目的とした研究を行っています。

本研究室では、HiLAPW や QMD-FLAPW といった FLAPW 系コードなどの第一原理計算コードを単なる計算ツールとして用いるのではなく, プログラムの内部構造や理論的背景を理解しながら活用・改良できる人材の育成を目指しています。
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