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C60フラーレン |
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アームチェア型カーボンナノチューブ |
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ジグザグ型カーボンナノチューブ |
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カーボンナノポット |
オープンキャンパスなどで配布した分子模型部品を使ってC60フラーレンを作る手順を説明します。フラーレンの構造は数学(位相幾何学、トポロジー)とも関連しています。フラーレンは数学が「体現化」された物質ともいえます。一言メモでその点を簡単に解説したので模型を作りがてらフラーレンの不思議な側面も楽しんでください。
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炭素原子sp2型ピース:60個 | 連結チューブ:90本 |
一言メモ[1]:連結チューブ、つまり結合の本数は次のように数えることができます。各炭素原子から出ている結合の「のべ本数」は60×3=180本。各結合は両端の炭素原子からダブルカウントされているので、180÷2=90本、が実際の結合本数です。
各ステップで新しく追加するピースの色を黄色にして見やすくなるようにしました(2018/8/5)。
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1. 五角形を作ります。 | 2. 五角形の周りに六角形を 5個作ります。 |
3. 椅子の形のようにピース2個とチューブ3本をつないだユニット(C2ユニット)を16個作ります。 |
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4. 二つの六角形の頂点をまたぐようにC2ユニット5つをはめていきます(五角形が5つできます。)。(一言メモ[2]) |
5. 二つの五角形の間を橋渡しするようにC2ユニットをはめて、六角形を5個作ります。 |
6. 二つの六角形の間を橋渡しするようにC2ユニットをはめて、さらに5個の六角形を作ります。 |
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7. ピース1個にチューブを2本つないだユニット(C1ユニット)を8個作ります。 |
8. 二つの六角形の間を橋渡しするようにC1ユニットをはめて、五角形を5個作ります。 | 9. 2つの五角形の頂点同士をC2ユニットでつなぎ、できた六角形の頂点と隣りの五角形の頂点をC1ユニットで順々につないでいくと六角形が次々にできていきます。最後に残った未連結ピース間をチューブでつないでC60フラーレンのできあがり!(一言メモ[3]) |
一言メモ[2]:C60では必ず五角形(五員環と呼びます)の周りを5個の六角形(六員環と呼びます)がぐるりと囲みます。完成したC60でも確かめてみてください。C60より大きなフラーレン(C70やC76、C78、C82、C84、C90、C94、C96など)でも同様です。現在までのところ、どのフラーレンでも五員環同士が隣接しない構造をとることが確認されています。この経験則を「孤立五員環則」といいます。二つ以上の五員環が隣接するとそこで曲面の曲がりが非常にきつくなって構造が不安定になるため、自然にそのような構造を避けています。
一言メモ[3]:五角形の数を数えてみよう!12個ありますね。実は五角形と六角形からなる多面体では五角形の数は必ず12個になります。フラーレンも五員環と六員環でできているので、C60に限らずどのフラーレンでも五員環の数は12個です。また、一般に多面体の頂点の数(v)、面の数(f)、辺の数(e)の間には、v+f-e=2 という関係があります。これを「オイラーの多面体定理」と呼びます。さきほどの五角形の数はこの定理から求めることができますよ~。
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