学科・教育PG紹介 department

本ページをご覧の皆様へ 沿革と我々の目指すところ

学科長・教育プログラム長 山崎 倫昭

 物質材料工学教育プログラムの前身の一つ、採鉱冶金学科は1906年(明治39年)に熊本高等工業学校採鉱冶金学科として発足しました。その後、熊本大学工学部採鉱冶金学科(1949年)として再発足し、社会の要請に応じて金属工学科(1955年)、材料開発工学科(1988年)、知能生産システム工学科マテリアルコース(1996年)、マテリアル工学科(2006年)として改組と拡張再編を行い、2018年より材料・応用化学科物質材料工学教育プログラムとして研究と教育を行っています。

 物質材料工学教育プログラムは、110年を越える歴史と伝統を有しており、これまでに5000余名に及ぶ卒業生を輩出しています。物質材料工学はすべての産業の基幹をなすもので、本教育プログラム(旧金属材料系学科)の卒業生は、国内外のさまざまな企業や研究所、公的機関で活躍しています。

 本教育プログラムは、主に金属や無機物質からなる構造材料および機能材料に関する専門知識と専門技術をもち、豊かな社会の持続的発展に寄与することのできる人材の育成を目標にして教育・研究に取り組んでいます。人間社会が自然環境と調和しながら持続的に発展していくためには、物質および材料の構造や特性発現メカニズムをマルチスケールで理解し、革新的、独創的な物質・材料および技術を開発して、環境保全や省エネルギー化などの喫緊の諸問題を解決していくことが必要です。

 物質材料科学においては、「概念軸(Concept)」、「物質軸 (Synthesis)」、「研究手法軸(Characterization)」の三軸の有機的連携が重要と言われています。ものづくりに長けている日本の科学技術が今後、さらに発展するためには「物質軸」、「研究手法軸」のみならず、「概念軸」をより強く意識できる人材の育成が肝要かと信じ、学部教育、大学院教育の質を高めていきたいと存じます。これからも物質材料工学教育プログラムの教職員と在学生が一丸となって、教育、研究、社会貢献に力を尽くす所存ですので、引き続きご支援、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。